まずはこの5つだけでOK!自転車ロードレースの専門用語

自転車ロードレースには様々な専門用語が出てきますが、いきなり全ての専門用語を覚える必要はありません。今回は、自転車ロードレース中継を楽しむ上で絶対に知っておきたいのは5つを解説します。

更新日: 2023.12.15公開日: 2022.8.19

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これだけ知っていればOK!自転車ロードレースの専門用語

自転車には様々な専門用語が出てきますが、レース中継を見る上で絶対に知っておきたいのは5つです。

  1. エース/アシスト
  2. プロトン(メイン集団)
  3. 逃げ(アタック)
  4. トレイン
  5. リードアウト(発射台)

エース/アシスト

自転車ロードレースで不可解なのが「エース」「アシスト」という役割分担。

実は自転車ロードレースはどのレースも個人戦であり、チーム戦ではありません。そのため、「このレースはXXチームの勝利」ということはなく、必ず「YY選手が勝利」となります。このあたりが、チームで戦績を競う野球やサッカーと違うところです。

「エース」「アシスト」という役割分担は個人競技である自転車ロードレースの歴史の中で「戦術」として生まれたものです。

エースは、そのチームで一番の実力者が担います。自転車ロードレースでは全ての選手に背番号が付与されますが、背番号の一の位が「1」の選手がエースです。

エースは総合力が高い選手が任されることが通常で、中でも上位チームの場合は他チームならエース級の選手がアシストに回ることもあり、「アシストがいなくても、一人でレースを作れてしまう選手」がエースを任されます。

また、レースによってエースは異なるため、他のレースでアシストだった選手が他のレースでエースになることもあります。

アシストは、数時間に及ぶレースの中で「ゴール前数百メートルのゴールスプリントまで、エースをベストな状態(体力の残り、走りやすいポジション、スプリントが決まりやすいタイミング)で連れて行くための全てのこと」が仕事です。ですので、ゴール前スプリント以外の全ての役割をアシストが担います。

後述するリードアウト(発射台)のような目にみえるアシストもありますが、

  1. 補給所でドリンクや補給食を運ぶ
  2. 落車したエースのために集団後方に下がって、風除けになって集団まで連れ戻す
  3. エースや他の選手のために防寒ウェアを運ぶ(回収する)

など、アシストにはたくさんのやることがあります。アシストはレース中継では目立ちませんが、「エースが勝てるかはアシストの仕事次第」とも言われるほど重要な選手です。

ただ、エースはエースで「一人でレースを作れてしまう選手」なので、アシストが全滅しても一人で結果を残さなくてはならない重責がありますので、どちらも大変であることには変わりません。

プロトン(メイン集団)

自転車ロードレース中継を観ているとしょっちゅう出てくるのがこの「プロトン」という単語。フランス語の「Peloton」で、中継上の文字スーパーでは「Peloton」と表示されます。

プロトンは各チームのエース選手がいる走行集団のことを指します。だから「メイン」集団というわけです。メインですので、必ずしも先頭集団をプロトンと呼ぶとは限りません。ツール・ド・フランスなどの大きなレースでは、総合1位の選手がいる「マイヨ・ジョーヌ集団」をプロトンと呼ぶことが多くなります。

自転車ロードレースはプロトン(メイン集団)でアシスト選手が風除けになったエース選手の足を休ませ、足を休ませたエース選手はゴールスプリントでステージ勝利を目指します。

プロトン(メイン集団)はレース全体の流れを作る存在でもあるので、逃げを追いかけるかどうか、全体の速度が上がるかどうかはプロトン(メイン集団)次第となります。

ただし、プロトン(メイン集団)は動きが少ないので自転車ロードレースでは意外観ていてもつまらない映像だったりします。

逃げ(アタック)

自転車ロードレースでは、メイン集団から単独で飛び出すことを「逃げ」、もしくは「アタック」と呼びます。逃げ(アタック)で飛び出して前に先行した選手(場合によっては複数選手)にメイン集団が追いつくことを「逃げの吸収」と呼びます。レース中は「逃げ」と「吸収」を繰り返します。

自転車ロードレースは空気抵抗が少ない方が低いパワーで走行できるので、「人間の壁」で空気抵抗を減らすメイン集団の方が逃げよりも圧倒的に有利です。そのため、ほとんどの場合は逃げは成功せず、力尽きてメイン集団に吸収されることになります。しかし、中には逃げが成功する場合もあり、逃げたままそのままゴールするケースもあります。

「逃げ」は、「コース上のどのタイミングで仕掛けるか」「どれくらい本気で逃げるのか」というレースの駆け引きで、チーム、選手の頭の使い所、レースの流れを読むセンスが重要となるポイントであり、自転車ロードレースの見せ場でもあります。

トレイン

自転車ロードレースを観てみると、同じ色のジャージ(ユニフォーム)を着た選手が縦に並んで走行しているシーンをよく見かけます。これが「トレイン」です。名前の通り、列車のように連なって走るのでそう呼ばれます。

基本的にメイン集団でトレインを組むことが多く、レース中はアシストが順番で先頭を交代してエースの体力消耗を抑えます。ゴール前になるとトレインを組んでエースをスプリント勝負をするところまで運ぶという大事な役割を果たします。

ただ、レース終盤まで先頭集団に全ての選手が残れることは少なく、ゴール前でトレインを組めるのはチーム力が高いチームに限られます。

ゴールスプリントギリギリまでトレインを組んでエースを勝負ポイントまで送ることが出来れば、ステージ勝利の可能性が高くなります。

リードアウト(発射台)

チームのエース選手をゴール前スプリントのギリギリまで運んで、最後のスプリントに送り出すことをリードアウト(発射台)と呼びます。リードアウトはアシスト選手が行い、どれくらい良いポジションでエースを発射できるかで、エースの勝敗が決まると言っても過言ではありません。

自転車ロードレースでは6〜8人のチームで戦いますが、そのうちリードアウトをするのは概ね数人、少ない時は一人でリードアウトをすることもあります。逆にいれば、ゴール前で複数人でリードアウトを行うことが出来れば、エースが勝てる確率が上がります。

リードアウトはゴールラインを切る役割ではなく、ゴール到着前に力尽きて脱落してしまうのですが、スタートからゴール前までずっとエースを引っ張って、最後の最後のスプリント勝負にまで参加するわけですから、レース展開によってはエース以上に大変な役割と言えます。

それぞれの自転車ロードレースの専門用語一覧

用語意味見所
エース/アシストチーム内の役割。エースをゴール前で運ぶのが基本チーム力や戦略がわかる
プロトン(メイン集団)エース級が走る走行集団。逃げを許すか、全体の速度がどれくらいになるか
逃げ(アタック)集団から先行して先頭を走る逃げが成功するか、どのタイミングで逃げるか
トレインチームで縦に並んで走行するゴール前までトレインを残せるかで勝負が決まる
リードアウト(発射台)ゴール前の最適な場所までエースを運ぶポジション取り、アタックタイミング

自転車ロードレースの専門用語に慣れるのならこの大会がおすすめ

自転車ロードレースは専門用語だけでなく、チーム名や選手名などたくさんの知らない単語が出てきます。そのため、ステージレースと呼ばれる、数日間で行われるレースから入ってみると、専門用語や強いチーム、選手に慣れやすいでしょう。

中でもおすすめは、グランツール(3大ツール)と呼ばれる下記の大会。それぞれYoutubeでのステージ無料配信やハイライト配信があるため、自転車ロードレースの入り口として最適です。

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