クラウドサーバーとは一体何か?メリットとデメリット

大規模なサービスでなくても個人でも気軽に使われるようになってきたクラウドサーバー。クラウドサーバーとは一体何か、そのメリットとデメリットをまとめました。

公開日: 2022.3.16

編集ノート: SUBSQUでは、パートナーリンクからコミッションを得ています。コミッションが記事の意見や、サービスの評価に影響を与えることはありません。

意味が変わりつつある「クラウドサーバー」

元々「レンタルサーバーはほぼ全てクラウド」

オンラインサービスにおいて、クラウドとは「物理的なローカルではなく、オンライン上のサーバーを使うサービス」の総称です。

クラウドサービスの一種である「クラウドサーバー」は、サーバーの追加やカスタマイズ、設定などをブラウザやCLIで操作できることから「クラウド」と呼ばれていますが、オンラインで操作できるという意味では、レンタルサーバー界隈は、物理専用サーバーを除いてほとんどのサービスが最初からクラウドだったとも言えます。

ただ、現在では「クラウドサーバー」というと、

  1. オンデマンドで課金される
  2. 複数のサービス・機能を一つのプラットフォームで使える

という形式のサーバーのことを「クラウドサーバー」と指すことが多くなっています。

クラウドサーバーと「クラウド型サーバー」の違いは?

ここ数年で共有レンタルサーバーでよく使われてるのが「クラウド型サーバー」というキーワード。

何を持って「クラウド型」と呼んでいるかはサービスによって異なりますが、概ね、

  1. プランのアップグレードが出来る
  2. 時間課金を選択できる

場合に、「クラウド型サーバー」と呼んでいることが多い傾向にあります。

もちろん、あくまで「型」であって一般的なクラウドサーバーとは異なるので注意が必要です。

クラウドサーバーのメリット

カスタマイズ性が高い

クラウドサーバーの最大のメリットはカスタマイズ性の高さでしょう。

一般的な共有レンタルサーバーやVPSであれば、レンタルしたサーバーの中で全ての作業を行う必要がありますが、クラウドであれば、

  1. フロントエンドはCI/CD
  2. APIアプリケーションはPaaS
  3. 静的ファイルはクラウドストレージ(オブジェクトストレージ)
  4. DBはNoSQLデータベース

といった形で、それぞれに特化したサービスに分割して管理・運用ができます。

別々に運用するのは手間なようにも思えますが、それぞれ最適化されていることから、簡単に導入できてメンテナンスコストも低いというメリットがあります。

冗長性を高くできる

クラウドサーバーは、複数のサービス・サーバーを連携して使うように設計されているため、レプリケーションやコンテナでのオーケストレーションを利用することで、サービスの冗長性を高くすることが出来ます。

ここ数年で、VPSやレンタルサーバーでも大きな障害は少なくなってきましたが、それでも万が一のことがあったら何も出来なくなってしまうというデメリットがあります。

その点、クラウドサーバーであれば、設定をしっかり行えば一箇所のサーバーがダウンしても、他のサーバーで補うことが比較的簡単に行えます。

クラウドサーバーのデメリット

仕組みや料金体系が複雑

クラウドサーバーの最大のデメリットはここでしょう。

レンタルサーバーのように「ここにファイルをアップロードしたらおしまい」というわけでもなければ、VPSのように「SSHログインして設定すれば良い」というわけでもありません。

それぞれのサービスを上手に連携させたり、セキュリティ関連の機能をうまく使う必要があり、クラウドサーバーは「普通に使うだけでもある程度の知識や慣れが必要になる」サーバーです。

また、料金体系も複雑。サービスごとに異なる料金体系で、しかもほとんどが従量課金なので、どこを使ったらどれくらい課金されるのかも「使ってみないとわからない」部分があります。

一度組み込んでしまうと、乗り換えが困難

クラウドサーバーのもう一つのデメリットが乗り換えの難しさです。

クラウドサーバーもある程度汎用性を持っているとはいえ、サービスごとの作法がある程度あって、様々なサービスを連携させるほど「データをコピーするだけで乗り換え」というのが難しくなります。

大規模なサービスであるほど、クラウドサーバーに移行するのであればしっかりと検討が必要になると言えます。